住まいづくりの基礎知識 Vol.2
「設計者を選ぶポイント」

住宅を建てたいと本気で思い、いざ行動を起こそうと思っても、実際何から手をつけていいいかわからない事も多いでしょう。
はじめは住宅の建て方の本を読んだり、広告や雑誌を眺めたり、近くの住宅展示場に出かけたり、知人の工務店の人に意見を聞いたり、方法は様々だと思いますが、そうやって少しずつ自分はこんな家に住みたいというイメージが出来上がってくると思います。
ここまでは皆さんどなたでもできる事だと思うのですが、そこから先はやはり専門家・プロに頼まないといけません。

さて何処に頼んだらいいのでしょうか?

ここでは住宅の依頼のできる4分野を説明したいと思います。
大きく分けると、

(1)建築設計事務所
(2)ハウスメーカー
(3)中小の建設会社
(4)ディベロッパー

になります。
それぞれ一長一短がありますが、選択の基準として住宅の建設費を坪いくらという比較だけで選ぶ事は避けたほうが良いと思います。これは何を含んでいるかで大きく異なりますので、基準にはなりません。
また、価格が安いのもそれなりの理由があり、明確な理由無く安いのは、何処かで手抜きや省略があると考えたほうが良いでしょう。
(1) 建築設計事務所
建築設計事務所
は、建築家がクライアントの専属コンサルタントとして、デザインから監理まで総合的に相談したり、アドバイスしてもらう事が出来ます。

基本的に設計と施工が分離していますので、変更や追加などの時にはクライアントの意見等を尊重出来ます。
また工事費に関しては、数社に見積もり依頼をし入札制度をとってますので、適切な金額とする事ができるでしょう。

どちらかといえば、ゆっくりと自分の住まいのイメージづくりをする人に向いているのでしょうか。しかし、建築家との相性の問題があり、お互いのコミュニケーションが出来ないと、あまり良い結果は生まれません。
契約までに自分の意見、生活形態を理解してくれるかどうかよく見極めましょう。

依頼する場合は、別途設計料が必要です。(ケーススタディーを参考に!)相談などの料金は、直接お尋ねください。
一般的に、1stプランまでは無料で作成してくれます。
それ以降は契約が前提となるでので、確認する必要があるでしょう。
相性のチェックもこの時期に!


(2) ハウスメーカー
ハウスメーカーは広告やテレビCM、住宅展示場などで皆さん馴染みがありますよね。
各メーカーにイメージキャラクターがいて、すごい宣伝効果があると思います。実際に建てる家の完成品を手にとるようにみる事ができ、標準価格も決まっているので選択しやすいといえます。

また、標準プランを基にして多くのオプションが用意されていますから、自分の家を具体的にイメージする事が簡単に出来ます。建築家に依頼した場合に比べ、短期間で完成する事が可能です。

しかし、変化のあるデザインを求める人や、極端に変形した土地には向きません。
また、最近の展示場は豪華すぎて自分が建てたいのとかけ離れていると言う声も聞かれます。

ハウスメーカーに依頼する場合覚えておきたいのは、営業の担当者が打ち合わせに関る事が多い事です。こちらの希望を明確にしておかないと、工事段階で打ち合わせと違う!と言う事態も起こりかねません。より注意が必要となります。

価格は、設計料、工事費、監理料などを全て含んだ金額で提出されます。やはりここでも各担当との相性が大切でしょう!


(3) 中小の建設会社・工務店
工務店は、もとは棟梁、大工さんと言う伝統ある方式を近代化したものですから、基本は大工さんの質に大きく左右されます。

地域で良質の住宅を建設していると定評のある工務店を選べば、アフターケアーを含め、安心して丁寧な家づくりができるといえます。

ただし、大きなところは設計部門が設けられていますが、小さいところは設計をよその設計事務所に頼んでいるところが多いので、確認しておきたいものです。
結構ここがポイントかも知れませんね。

必ず今までに建てた家を何軒か見せてもらいましょう。全ては工務店の選択にかかっているのですから!
私も実感しています。


(4) ディベロッパー
ディベロッパーとは、建売住宅などを自社のブランド名をつけて分譲したり、総合管理をする会社で、ブランドを買うと言う方には安心できるシステムです。

しかし既に土地を持っている方や、地域を限定している方には希望の物件があるとは限らないので、あまりお薦めできません。

また、土地が決まっても設計や施工会社が決められているのことが多いので注意したいものです。
自分の希望するデザインの家が建てられるかどうかよく聞いておきましょう。

聞きなれた言葉で、「建築条件付」が多いのはディベロッパーでしょう。
以上になります。是非参考にして、夢を形にしてくれるパートナーを探してください。
ちなみに私は(1)の建築家ですが!(^^;

次回は、「完成までの流れを知る」をお送りします。お楽しみに!
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