住まいづくりの基礎知識 Vol.8 |
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「構造を学ぶ」 |
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住宅の構造として代表的なものを紹介していきます。それぞれ特徴がありますので、ご自身がどのような住まいを考えているか、予算とあわせてご相談ください。 Part 1 木造編 「木造在来工法とは」 昔からの木造の事を言います。伝統的に大工さんに伝わる工法の事をこのように言うのは、近年着実に普及している2×4工法や、軽量鉄骨工法と区別するために、この名前が付けられたと聞いています。全体は柱梁による軸組みによって作られます。したがって柱や梁の間の壁や床を抜きやすく、継ぎ足したり重ねたりしやすいので、増改築が容易です。また、補強さえすれば、柱や梁の移設や撤去も可能です。 もともと外材に比べ、日本で取れる材木は決して太い物ではありません。そこで日本の用材法は材木の太さに応じて、一本の木から無駄のないように様々な太さの物にきめ細かく製材します。この結果この在来工法は部材の種類が多く、手間が掛かる工法と言われます。 最近はこの手間を少しでも省こうと大工さんが材木を加工せず、プレカット工場で加工を任すようになって来ています。寸分の狂いもなく、加工されています。 また「阪神淡路大震災」以降構造の見直しが数回行われ、接合金物を非情に沢山使うようになりました。私たちも計算や作図に大変ですが、大工さんはもっと大変な思いで、現場で取り付け作業を行っているようです。慣れるまでは少し時間が必要でしょうか? 「2×4工法・枠組壁工法」 北米からもたらされた木造の工法で、正式には枠組壁工法と言います。柱を使わずに2インチ×4インチの材木を間柱のように並べ、その上から合板を打ち付け壁を作り、床や屋根を支えます。在来工法に比べ、仕口とか継手などの複雑な接合法を取らずにほとんど釘だけで打ちつなぎ、使う材料・部材も単純化されている為、手間が掛からず工期も少し短縮されているようです。 最近では(私も手掛けていますが)、輸入住宅の流行もあり、寸法そのものもフィート・インチを用いて現されてきています。また2×4工法は、在来工法のような接合金物はほとんど使いません。なぜならば、壁を合板で貼り合わせているので、その部分で耐力を持ち合わせているのです。しかしデメリットとしては、在来工法のように、自由に増改築が出来ない事です。簡単に言うと、壁が取りづらい・・と言う事ですね。 「SE工法・木骨工法」 最近「阪神淡路大震災」の教訓から開発された、新種の木造の工法です。木骨工法と言ったほうが正式なのでしょうか?簡単に説明すると、柱や梁が木造で集成材を使い、接合部には独自に開発した金物を使います。また床にはァ29@の合板、屋根には断熱材がサンドイッチされたパネルを使うため、強さも強靭ながらその快適さも追求しているようです。 全てに構造計算を行い、材料の加工も工場で行われるため手間が掛からず、建て方(上棟)まではかなり速いです。当然ながら工期も短縮されてきます。ただ現場に搬入する際にはかなり大きなパーツで加工されて来ますので、敷地と道路の関係に一定の条件があるようです。クレーン車が使えないとまずいようですね。増改築は基本的に在来工法の考え方が当てはまると思いますが、構造計算書で確かめる必要があるでしょう。余計な金物が要らないため、私たち設計者にはありがたい工法です。3階建てに向いていると思います。 |
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