リコーダーといえば、日本全国の小、中学校で音楽教材として使われているため、大変ポピュラーな楽器といえるでしょう。最近では100円ショップでも売られているのを見かけます。大、小のリコーダーを使ってリコーダー・アンサンブルを楽しむ人達も増えているようです。

リコーダーの歴史 リコーダーの仕組み リコーダーの仲間 リコーダーの特徴





ソプラノリコーダー


バスリコーダー
(とタバコ)
リコーダーの歴史
リコーダーと同じ発音原理を持つ楽器の起源は、先史時代にさかのぼることが出来ます。吹き鳴らしたと思われる笛の木片、穴のあいた石、骨、土笛などが東西ヨーロッパ、中南米、エジプトなどで発掘されています。

リコーダーに関する文献で最も古いものは、11世紀にフランスで書かれたものです。その頃(中世時代)の音楽における主役は声楽で、リコーダーは声楽と一緒に演奏されていました。教会で演奏されることが主だったようです。

15世紀末頃になると(ルネサンス時代)、ソプラノアルトテノールバスの4パートに分かれる合唱のそれぞれのパートと一緒にリコーダーを演奏するようになりました。そして16世紀に入ると、楽器だけのアンサンブル(リコーダー・アンサンブル)が行われるようになり、その頃には教会音楽を演奏する楽器として重要な地位を得ていました。現存している最古のリコーダーは16世紀初頭の頃のものです。

リコーダー音楽の全盛期は17〜18世紀頃(バロック時代)で、リコーダーの為の名曲が数多く書かれました。

しかしリコ−ダ−以外の様々な管楽器が開発されて発展してくるにしたがって、18世紀なかば頃からリコーダーは徐々にその座をフルート(当時の呼び名はフラウト・トラヴェルソ)に奪われてしまいます。そして19世紀の後半頃までほとんど忘れ去られたようになってしまいました。

リコーダーが再び脚光を浴びるようになったのは20世紀に入る頃で、イギリスでバロック時代の音楽を当時の楽器(古楽器)で演奏する「古楽器ブーム」がおこり、リコーダーが再び作られるようになったことや、教育用の楽器としてドイツをはじめとしてイギリス、アメリカ、日本などで使用されるようになったこどが大きいでしょう。

ドイツでは音楽や教育がナチスに支配された時代に、教育用の楽器としてリコーダーが利用されたことにより広く普及することになりました。

日本でリコーダーが最初に伝えれらたのは1930年代で、造られたのは1950年頃です。その後リコーダーは大量生産されるようになり、1960年代以降には日本の小、中学校でリコーダーが教材として使われるようになりました。

アルトリコーダー


ソプラノリコーダー


バスリコーダー




リコーダーの仕組み
リコーダーは大きく2つに分解出来、吹き口の方から頭部管、中部管と呼ばれます。

(楽器によっては3つに分けられ、中部管を胴部管、足部管の2つに分けられる楽器もあります。)

頭部管は円筒状の管で、鳥の「くちばし」のようなマウスピース部分と、息が通り抜ける「リップ」を持ちます。


ソプラノのくちばし

バスの吹き込み口


ソプラノのリップ

バスのリップ

先端には木栓がつめられ、この「つめせん」によって音を出す原理になっています。


ソプラノのつめせん

バスのつめせん

中部管は先細りの円錐状の管で、指孔は表面に7個(左手人差指・中指・薬指・右手人差指・中指・薬指・小指で押さえる)、裏面に1個(左手親指で押さえる)あり、計8個の指孔を持っています。

音域はバロック中期以降になると2オクターヴを超え、音質は華麗なものとなり、外観も装飾的なものに変化しました。



リコーダーの仲間
リコーダーの種類は現在使用されているもので、バス、テノール、デスカント、ソプラニーノがあげられます。

その他にも最高音部の笛としてクライン・リコーダー、最低音部の笛として、コントラバス・リコーダーがあります。

これらのものは大編成の合奏で使用されます。

リコーダーの特徴
リコーダーには、「ジャーマン式(ドイツ式)リコーダー」と、「バロック式(イギリス式)リコーダー」があります。一般的に学校の教材として使われているリコーダーは「ジャーマン式」です。「バロック式」リコーダーは、指使いが少しだけ難しくなります。