ヴァイオリンは4本の弦を弓で擦(こす)って音を出す擦弦楽器(さつげんがっき)です。弓を擦る強さや速さを微妙に変えることにより、感情を自由に表現できるのがヴァイオリンの一番の魅力です。

バイオリンと著名人 バイオリンの仕組み 発音原理 バイオリンのサイズ 演奏方法1 演奏方法2

ヴァイオリンと著名人
映画で有名な、あのチャーリー・チャップリンもこのヴァイオリンの魅力に取りつかれた一人です。そのヴァイオリン好きは、自らヴァイオリンを弾き自分の映画「ライム・ライト」に登場したり、映画音楽で有名な『エターナリー』という曲を作曲するほどでした。喜びや悲しみを自在に表現できるヴァイオリンの魅力をチャップリンは知っていたのでしょう。




馬のしっぽが張られた弓


松ヤニ
ヴァイオリンの仕組み
それでは、ヴァイオリンの仕組みについてお話しします。
弦は音の高い方(弦の細い方)から1弦・2弦・3弦・4弦と番号が付けられており、馬のしっぽの張られた弓に、松のヤニ(ベトベトした樹液)を付けて弦を擦り音を出します。

弦の種類はスチール弦(金属弦)・ガット弦(ひつじの腸)・ナイロン弦の3種類があり、値段が手頃・切れにくい・音程がくるいにくいと言うことから、現在ではスチール弦が主流となっています。また、ナイロン弦はガット弦の代わりに使用されています。

それぞれの弦の音程は、1弦が2点ホ(ミ)・2弦が1点イ(ラ)・3弦が1点ニ(レ)・4弦がト(ソ)にチューニング(音合わせ)をします。オーケストラや他の楽器とのアンサンブルをする時は、2弦のイ(ラ)の音を最初に合わせそれぞれの弦をチューニングしてゆきます。

f字孔
発音原理
発音原理としては、

1. 弓で弦を擦る
2. 弦が振動する
3. 弦を支える駒(こま)が振動する
4. 表板が振動する
5. 表板と裏板とを支え、表板の振動を裏板に伝える魂柱(こんちゅう)が振動する
6. 裏板が振動する
7. ボディーの内側全体が振動し合い共鳴する
8.f字孔から楽器の外へ音(空気の振動)が広がる。

と言う複雑な過程を経て、豊かで華やかな音が発音されるのです。

ヴァイオリンのサイズ
皆さん、子供が弾いている小さなかわいいヴァイオリンを見たことがありますか。これは、分数ヴァイオリンと言って子供の練習用に正確に縮小された楽器です。それぞれの大きさは小さい方から1/16・1/8・1/4・1/2などがあります。この大きさの規格は実は日本で作られ、世界の統一規格になったものです。

コンソルディーノ


センツァソルディーノ


ミュート


ミュートを付けた状態
演奏方法1
演奏方法としては、弓で弦を擦るアルコ(Arco)と弦を指ではじくピチカート(Pizz)奏方の2種類があります。また特殊なものとして、弓の裏側(木の方)で弦を叩くコルレーニョという奏方もありますが、高価な弓ではやりたくない困った奏方です。

ヴァイオリンの楽譜には、しばしば不思議な記号が登場します。
ミュート(弱音器)といって弦の響きを抑える道具(ミュート)を取り付ける(コンソルディーノ)・はずす(センツァソルディーノ)という記号です。

フラジオレット


ダウン


アップ
演奏方法2
フラジオレットは弦を押さえず軽く触れて倍音を出す奏方です。また、右手の弓を下げる<ダウン>・上げる<アップ>があります。何も書かれていない場合は、強拍でダウン・弱拍でアップになります。

更に、ヴァイオリンには0番という指番号が登場します。左手の人さし指が1番・中指が2番・薬指が3番・小指が4番なのですが、指で弦を押さえない時に(開放弦)0番として登場します。

などなど、ヴァイオリン弾きにしかわからない秘密がたくさんありますが、これだけ知ればあなたも立派なヴァイオリン博士!お友達にも教えてあげましょう。

トリオ・フルール

フルート、ヴァイオリン、ピアノの室内楽トリオ
この楽器のアンサンブル動画がご覧いただけます。。

♪演奏:トリオ・フルール(Trio Fleur)