楽譜の左端のマークは何?
先生、楽譜の左端に書いてあるこのマークの名前は何て言うんだったっけ?
ああ、ト音記号のことじゃな。
そうそう、思い出したわ。ト音記号!。
でもどうして「ト音記号」って言うのかしら…?
お答えしよう。
ト音記号の「ト音」とは「ソ」の音のことなのじゃ。つまり五本線の中で、どこが「ソ」の音なのかを表している記号なのじゃ。
「ソ」はどこだったかな?
下から2番目の線よ。
そうじゃ。
だからト音記号は五線譜の「ソ」の位置、つまり下から2番目の線から書き始めるのじゃ。勝手な所に書いてはだめなんじゃ。
本当だわ。
確かに下から2番目の線からね。それなら「ト音記号」じゃなくて「ソ音記号」って言えばいいのに…
「ドレミファソラシド」とは、もともとイタリアやフランスでの言い方なのじゃ。
日本では「ハニホヘトイロハ」と言っていたのじゃ。だから「ソ」イコール「ト」と言うことになるのじゃよ。
ふ〜ん。
「ソ」と「ト」が同じなんて、なんだかややこしいわね。
「ヘ音記号」と言うのもあるぞ。
ピアノの楽譜の左手にはこの記号を使うことが多いんじゃが、ハニホヘトの「へ」つまり…
「ファ」の場所を表しているのね。
その通りじゃ。ついでに英語ではアルファベットを使うのじゃよ。
「ドレミファソラシド」は、アメリカでは「CDEFGABC」となるのじゃ。だから「ソ」は「G」、「ファ」は「F」なのじゃ。
そう言えば、さっきの「ヘ音記号」はアルファベットのFに似ていると思わんか。
そうね。それに「ト音記号」もなんとなくGに似ているような気が…
いかにも!わかったようじゃな。
「ト音記号」も「ヘ音記号」もそれぞれアルファベットのGとFが変形してできたのじゃ。
では、最後にもう一つ教えてあげよう。「ハ音記号」というやつじゃ。
見たことないなあ…。
これもアルファベットのCが変形したものじゃ。
「ハ音記号」の「ハ」は「ド」で、英語の音名では「C」のことね。
そのとおり。「ハ音記号」は、まん中のとがった所が「ド」の位置であることを示しておるのじゃ
おもしろいじゃろう。