ピアノがどうして楽器の王様なの?
先生、どうしてピアノが楽器の王様なの?
それは大きく5つの理由があるのじゃ。
1つめは音域が大変広いことが上げられる。
みんなの家や学校にある88個の鍵盤をもつ標準ピアノでもオーケストラのどんな楽器よりも高い音も低い音もだせるのじゃ。
つまり、1人でオーケストラができるのじゃよ。
スゴーイ!たった1台の楽器でオーケストラで使われている全ての楽器の音の高さを弾けるのね。
2つめは音を伸ばしたり短く切ったり自由に操作ができることが上げられる。
ピアノの足下にある右側のペダル(サスティン・ペダル)を踏んでから鍵盤を叩くと踏んでいる間だけ音が伸び、離すと音が切れるので機会があったら実験してみると良いじゃろう。
わかったわ。わたしの家のピアノもちゃんとそうなるか実験してみるわ。
3つめは音量(音の強さ)を自由に変えられることが上げられる。
ピアノはフェルトのついたハンマーを弦に叩いて音を出すのじゃが、これが大変良くできておる。太鼓の叩き方で言うとダウン・ストロークと言って皮を叩いた後に皮の少し上でスティック(ばち)を止めるのじゃが、ピアノのハンマーもこれとほぼ同じ動きをするのじゃ。太鼓を叩く時の人間の腕や手首の動きをピアノのアクション(音を出すための機構)がきちんと再現しておるのじゃ。
つまり、太鼓を叩く感覚と同じように音量を自由に変えて演奏できるようにうまく作られておるのじゃよ。また、ピアノが鍵盤打楽器と言われておるのもこのためなのだよ。
そうか!鍵盤の付いた打楽器と言うことなのね。
4つめはたくさんの音を同時に鳴らすことができるのじゃ。
それこそ鍵盤の数だけ指があればすべての音を同時に鳴らすことができる。実験にグリッサンド奏法と言って前で説明した右側の音を伸ばすペダルを踏んだまま鍵盤の端(はし)から端まで指をすべらせてみるとたくさんの音がしておもしろいぞ!
また、連弾(れんだん)と言って1台のピアノを2人で同時に弾いて演奏してみるのも良いじゃろう。
思い出したわ!連弾って、わたしが小さい時にピアノの発表会で先生と弾いたあれね!
5つめは独奏も合奏もできることじゃ。
独奏と言って1人で演奏しても楽しいし、合奏と言って歌やほかのいろんな楽器の人と一緒に演奏して楽しむこともできるのじゃ。その理由はピアノがメロディーも伴奏も両方できる楽器だからなのじゃよ。
ピアノって実はすごい楽器だったのね。あまりにも身近で気がつかなかったわ。
うじゃろう。
これだけのことを1台の楽器でできるのは電子楽器を除いてはピアノしかないのじゃよ。音楽の勉強や作曲家がピアノを使うのもこのような理由からなのじゃ。まさにピアノは楽器の王様にふさわしいと言えるだろう。
しかし、そろそろシンセサイザーが王様になるかもしれないね。