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ジャズの「スタンダード・ナンバー」って何ですか? |
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先生、ジャズの「スタンダード・ナンバー」って何ですか? |
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「スタンダード・ナンバー」は、生まれては消えていくポピュラーソングの中で、長い間愛好され、くり返し歌われたり演奏されている曲を言うのじゃよ。 |
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な〜るほど。
でも楽譜にはメロディーとコードネーム(和音記号)しか書いてないので、楽譜通りに弾いても格好良くならないのよ。
なぜかしら…? |
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それはね、ジャズが即興演奏を中心に発展してきた音楽だからじゃよ。 |
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つまりジャズの演奏者は、作曲家が書いた楽譜をそのまま演奏するのではなく、自分なりに解釈してメロディを変えてみたり、そのメロディが終わると2回目からは曲の和音進行にあわせて、演奏者が自分でメロディをその場で作って演奏するのじゃ。
その即興演奏を楽しむのがジャズと言う音楽の最も大事な部分で、作曲された曲そのものよりも、演奏者がその曲でどんな素晴らしい即興演奏をするか、というところがジャズの聴き所なんじゃな。
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へえ〜。
だからジャズってちょっと複雑な感じがするのね。 |
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太平洋戦争が終わるころまでのジャズは、どちらかと言うとダンス音楽だったので、もっと単純で親しみやすかったのじゃ。
しかし、戦後ダンスホ-ルが少なくなってくると、ジャズの演奏者は即興を競い合うようになり、その内容もどんどん複雑になっていったのじゃよ。 |
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じゃあジャズにとって作曲家が書いた曲そのものはあまり大事ではないって事? |
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もちろんそんな事は無いよ。
元の曲が良いものであれば、即興演奏も良いものができるからじゃ。
だから演奏者はより良い即興演奏をするために曲を選んで演奏したのじゃ。
「スタンダ-ドナンバー」は、即興演奏がとてもやり易い和音進行になっているものが多いのじゃ。
だからそれは映画音楽だったり、フランスのシャンソンだったりアメリカのポピュラ-音楽だったりして、特に「これがジャズの曲だ」というものは、あまり決まっていないのじゃな。
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だから「ジャズのスタンダード・ナンバー」って、色々な曲があるのね。
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よく「ジャズに名曲なし、名演あるのみ」なんて事も言われるんじゃ。
クラシック音楽と違って、作曲者よりも演奏者の方がジャズの歴史には重要な役割を果たしてきたんじゃよ。
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じゃあ、即興演奏そのものがジャズという音楽なのね。
クラシック音楽は、楽譜に書かれている音を1音も間違えずに演奏する事が大事だから、ジャズとクラシック音楽は全く違う音楽ということ?
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いや、バッハもモ−ツアルトもショパンも、とても優れた即興演奏をしていたのじゃ。
しかし、ジャズが生まれた20世紀頃と違って当時は演奏を録音することが出来なかったので、今彼らの音楽を知る事が出来るのは彼らの書いた楽譜からだけなのじゃ。
バッハやショパンが今生きていれば、もしかしたら最高のジャズの演奏を聴かせてくれたかもしれないね。
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