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メトロノームって何のためにあるの? |
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先生!
メトロノームって何ですか?
もしかして、メトロノームって…。カチッ、コチッ、チーン!という音のする三角形の…あれですか? |
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そうじゃ、メトロノームはテンポを正しく示してくれる機器なのじゃ。
基本練習のときはみんな決まって使うのじゃよ。
今まで使ったことはなかったかね? |
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あっっ、ピアノと一緒に買ってもらっていたけれど、今まで一度も使ったことはなかったわ。 |
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そうかそうか。
じゃあ今日はメトロノームについてお話ししよう。
メトロノームは、テンポを正しく示す機器なのじゃが。
1812年、日本で言えば江戸時代にオランダ人のヴィンケルトによって発明され、それからさらにドイツ人のメルツェルによって改良されて現在のものとなったのじゃよ。
メルツェルのメトロノームは、略してM.M.と記されるのじゃ。
彼が1816年に専売特許をとったことから、メトロノームと言う名称も彼の名前に由来しているのじゃよ。 |
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うわァー。昔からあるのね!
そういえば、メトロノームには錘(おもり)みたいなものが細い棒についていて、上下に動くようになっていたわ。
いったいどんなしかけなのかしら…? |
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ごく単純な仕掛けでのう。
ぜんまい仕掛けの振り子によって、音楽の速度を自由に決めたり知ることができるようになっているのじゃよ。
ちなみに、全面に細かく書いてあるAndante(アンダンテ) やAllegro(アレグロ)などの文字は速度標語と言って、イタリア語の言葉で速さを表したものなのじゃ。 |
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例えばじゃな、 =76と楽譜の初めに書かれていたら、『振り子についている錘を、表示板に書かれてある数字の76のところにもっていって、振り子を左右に動かせば良いのじゃよ』その時の振り子の速度が楽譜の音楽の速さになるのじゃよ。
数字の前に書かれている音符の種類は「一拍の音符」を表していて、1分間にその音符が何回刻めるかということが示されているのじゃ。 |
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わかったわ!つまり、1分間に を76回刻むことのできる速度を表してくれるのね。 |
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そうじゃ、そうじゃ。例えば =60と書いてあったら、1分間にを60回刻むという意味になるのじゃ。 |
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1分間に60回刻むということは、時計の秒針と一緒ね。 |
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その通り。
=60は1秒の速さと同じということじゃ。メトロノームを持っていない時は、時計の秒針を頼りにテンポを推測するといいんじゃよ。 |
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それとじゃな、メトロノームをはじめて作曲の速度表示に使ったのは、わしの遠い親戚のおじいちゃんであるベートーヴェンとピアノの練習曲でおなじみのチェルニーなのじゃ。
また、現在のメトロノームにはこのように振り子の反復を利用するものと、電気的な発振装置によるものとがあるのじゃよ。 |
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さっそく今日からメトロノームに合わせて練習しよおっと!「カチッ、コチッ、チーン!」 |
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おいおい。
先に忠告しておくが、メトロノームに頼りすぎた機械のような演奏にはならんようにするのじゃよ!!。 |
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<豆知識>
代表的な速度標語
Adagio(アダージョ)=遅く
Andante(アンダンテ)=歩く速さで(実際には「やや遅く」)
Moderato(モデラート)=中ぐらいの速さで
Allegro(アレグロ)=速く
*人々の生活が忙しくなってきたせいか、AndanteやAllegroは、18世紀のころよりも現代の方が速くなっているそうです。私達は将来、ModeratoがAndanteに感じる時代になるかもしれません。
つまり、速度標語はその時代の感覚的な目安であり、絶対的なものではないのです。数値だけではなく、このような人間味が速度標語として残されているからこそ、音楽は時代と共に変化を重ね、おもしろくなって行くのです。
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