弦の永久脱毛とは?
先生、昨日ライブのリハーサルを特別に見せてもらっちゃった!
音響や照明の人達など、たくさんのスタッフがいそがしそうに動き回っていたわ。
そうじゃろう。
ホールによって響きや設備が違うから、毎回調整をしなくてはいけないからね。
照明演出や音響機器が必要なポップスのコンサートは大変なんじゃよ。
それでね、ステージの横でギターのおじさんがお手伝いのおにいさんに変な事を言ってたのよ?
「弦は永久脱毛にしといて」だって。
「永久脱毛」って言葉が印象的だったので覚えているのだけれど、どう言う意味かしら。
ワッハッハ!
それは、新しい弦に張り替えた時にあまった部分をどう処理するかの呼び名だよ。
えーっ、良く分からないわ?
つまり、販売している弦は少し長めに作られているから、張り替えた後にどうしても余分な弦が糸巻きからはみ出してしまうのじゃよ。
その部分をどう処理するかと言うことじゃよ。
なるほど…。
それでは私が聞いた「永久脱毛」ってどう処理するの?

永久脱毛
それはじゃな、一番オーソドックスな処理の仕方で、糸巻きに弦を巻いた所から余分な弦が出っ張らないようにスッキリと切ってしまう方法じゃよ。
わかったわ!
出っ張りなくスッキリと弦を切ってしまうから「永久脱毛」なのね!
他にはなにかあるの?

チョビひげ(ブショウひげ)
そうじゃな、「チョビひげ」と「長渕」があるのう。
「チョビひげ」は、余った弦を切らないで輪のようにクルッと巻く処理の仕方じゃよ。人間のひげの形に似ている事から「ブショウひげ」とも呼ぶらしいのう。

長渕(または、 それ
以外の演奏者名)
「長渕」は余った弦を切らずにそのまま伸ばした状態にする処理の仕方じゃ。これは、シンガーソングライターの長渕剛さんがそうしていた事から呼び名な付いたそうじゃ。
確かにテレビでそんな形のを見た事があるわ!
でも、クラシックギターでは見た事がない気がするけど?
そうなんじゃ。
クラシックギターは糸巻きの構造が違うから、このような処理ができないのじゃよ。ある意味でエレキギターとフォークギターの特権じゃな。
わかったわ!
ギタークラブの友達がいるから教えてあげよーっと!
おいおいちょっと待った!
これは、業界でお仕事をしているギターのプロの人達にしか伝わらない呼び方じゃよ。最近の若いプレイヤー達は使わないんじゃ。
そうなの…。みんなに伝わらなければ仕方ないわね。
でも知らない世界を覗いたみたいでとっても楽しかったわ!
業界用語を使ってもはずかしくないくらいエリーゼも上達してほしいのじゃが…。