WEBコンサート vol.1 制作日誌

 5月5日 どうしてイメージハンティングをするのか

現代音楽は映像と切り離して考えることはできません。
映画、TVドラマ、CFのバックミュージックはもちろんですが、毎月リリースされるアーティストのCDではほとんどプロモーションビデオが作られています。
各コンサートやライブでは観客は音楽と共に演奏家やアーティストの姿をみて楽しみます。
音楽とは現代人にとって耳で聞きながら見て楽しむものになっているといっても過言ではないでしょう。

そこでシンフォニーWEBコンサートでも、ただ音楽を聞いていただくのではなく、その音楽を制作する元になったイメージを音楽と共にご提供しようと考えました。

 5月8日 ロケ場所決定!しかし大問題発生!?

イメージハンティングのロケ地を決定しました。
さっそくインターネットで詳しい情報を調べてみました。するとなんと、日によって自動車の通行規制があることが判明。
自然保護のため行楽シーズンはその場所の入り口の駐車場には自家用車を駐車できず、かなり手前の駐車場に車を止め、バスで入り口に行かねばなりません。
そのバスの発車時間は早朝4時からですが、帰りは16時で終わってしまいます。入り口からロケ地希望地点までは3時間は歩きます。
また、シンフォニーの通常の制作業務の合間に行くため、スタッフのスケジュールが合うのが1日しかありません。

以上の諸条件を考慮した結果、通行規制が敷かれる寸前の5月某日、深夜シンフォニーのある練馬を出発し、そのまま車内で交代で休みをとり、早朝からロケを行うことに決定しました。
この通常では考えられない強行スケジュール、はたしてどうなる!?

 5月12日 イメージ表示方法

コンサートの提供方法を検討。
インターネットでは大きなデータはリアルタイムで送れません。動画を表示する場合、大きさや1秒間のコマ数をとことん抑えなければなりません。そうするととても小さく汚い画像になってしまします。
しかし、静止画を何枚かを表示して音楽を流すのではあまりにも貧弱です。また、音楽のデータもできる限りきれいな状態、できればステレオで提供したいものです。

そんな想いから徹底的に研究し、ようやくある手法にたどり着きました。
それは、、、、、
WEBコンサートで披露します。

 5月16日 第1回のコンサートのテーマ

シンフォニーならではの楽曲を提供したい。
特に第1回目は、このシリーズの方向性を示す極めて重要なポジションを占める。
と、作曲する楽曲のテーマを大検討、、、、、
ようやく、テーマを大決定しました。

それは、、、、、
自然。
大都市で暮らす人々にひとときの安らぎを与えるような曲を創ろうと決意しました。
はたして、どんな曲になるか、楽しみにお待ち下さい。

 5月19日 コンデンススコア作成!

コンデンススコアってなんでしょうか。濃縮した牛乳はコンデンスミルク。コンデンスって濃縮という意味がありますが、その他に要約、簡略という意味があるんです。つまり、コンデンススコアとは簡略化した楽譜のことです。
作曲家はその曲で使用する主な楽器の楽譜を書き上げます。そしてそれを確認するためにとりあえずピアノで弾いてみるのです。その仮の楽譜がコンデンススコアなんです。

今回の楽曲もラフが上がり、演奏する楽器の全パートをピアノで弾いてみました。

しかし、あまりにも複雑な曲にしたため、作曲家がうまく弾くことができません。でも曲のイメージはわかるので、それを元にスタッフ間でイメージを詰めていきました。

この仮の曲は、イメージハンティングにもっていき、ロケーション場所で聞いてみることにしました。

 5月21日 新楽器購入!その名はレインスティック

今日は強力な助っ人を購入。その名はレインスティック。南米チリの民族楽器です。
幹の中に複雑なすき間が空いていて、そこに小さい粒が入っています。これを左右に動かすと水が流れるような音がします。
チリでは、雨を呼ぶための儀式(祭)で使用されているようです。

今回の楽曲では、このレインスティックを効果的に使おうと着々と構想を練っています。


 5月23日 怒濤のロケ前日

イメージハンティングを24日に決行することに決定。
早朝からロケ場所に入山するためには東京を夜中の1時に出発しなければなりません。しかし、シンフォニーの業務は午後10時まであるんです。運転手以外は車内で寝るしかありません。
それでは、運転手はどうするのか。交代制にしようかどうか。と、言っているうちに、まあなんとかなると、なしくずし的に対処することになりました。

このあまりにも無謀なロケ、どうなるのでしょうか。

恐怖!過酷な雪中行軍(前編)に続く。

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